[タイムラプス影像解析に基づく] マイクロコロニー法 を採用した MicroBio μ3D AutoScanner を使用すれば、寒天培地の評価が精確に実施できます。(p.17~19 を参照してください.)
寒天培地を培養しながら、寒天培地全体の中にいる標準菌㈱のすべての微生物コロニーを、培養時間軸をX軸としてヒストグラムを得ると、培地の性能が良ければ、培地中のすべての生菌コロニーが形成する標準正規分布(釣鐘型)形状のヒストグラムが得られます。このとき、サンプル数(コロニー数)は1000というような、多い方が好ましいのですが、30以上あればよく、ヒストグラムの形状が正規分布を示していれば、回収率も100%に近いということになります。
菌検出が開始され始めて検出が完了した時間帯に検出されたコロニーは,混釈された寒天培地内のどこかに存在していたものです。 装置は培地全体を観察していますので,ヒストグラムの釣鐘形状の開きは,コロニーの所在による検出時の時間差によるもので,培養が良好の場合(性能の良い培地)は下図に示すような正規分布の形状となります。
性能が悪い寒天培地の例
デソキシコレイト寒天培地の塩分濃度を1%まで上げたものの培養性能をE.coliの標準菌株で確認してみた例です。
この寒天培地では、24時間培養後に14個のコロニーが計数できていますが、これに対して、標準寒天培地に同じ試料を混釈して同時に24時間培養してみたところ、65個のコロニーが計数できています。このことからも、デソキシコレイト寒天培地の塩分濃度が1%以上になると、回収率が20%以下になることが分かります。