生菌検出が微生物検査に対して要請されています。

微生物検査に対する社会要請

微生物検査に対する社会要請

微生物検査は、食品、医薬品、日用品、化粧品などの製造業や、フードチェーン、医療機関、温泉、娯楽施設などの衛生環境管理のために日常的に行われています。大別すれば、生菌検出と菌種同定がありますが、菌種同定の場合も、その前提として生菌の確保と増菌が重要であるため、生菌検出が全ての場合に要請されていると考えるべきです。

 

生菌選出について 

 

培養法(寒天培地培養法)は、培地を用いて微生物(真菌と細菌)を培養し、その結果として微生物により形成されたコロニーを目視でカウントする方法です。微生物は、生きている証拠として、増殖してコロニーを形成するので、これを目視で確認することが最も信頼性が高いとされています。しかし、コロニー形成の目視確認は、@長時間かかる、A目視検査による長時間作業の検査員への負担の増加、B検査に熟練を要し、また、コロニー形状の定義がないため熟練者でも結果に個人差が出る、C通常工程では計数結果のみが記録され、画像情報は記録されないため、後日、比較検証が難しい場合が多い、などの問題があります。

 

Aに関しては、目視検査に代わる自動コロニー カウンターが既に各種開発され実用されています。シャーレ交換を自動で行う装置がオプションで付けられている装置もあり、技術開発の観点からは既に要求を満たしていると言えましょう。しかし、Bにも関係しますが、コロニーの定義がないために、個々の自動装置におけるコロニー判定基準が統一されておらず、計数結果に装置で差が出る場合があります。

 

そしてその差の妥当性を判断するのは結局、熟練者の目に頼らざるをえず、個人差の影響は避けられません。そのバラツキはコロニー数が多すぎても無視できません。認証機関である AOAC では直径 90 mmのシャーレの場合、コロニー数が 30 個以下、及び 300 個以上のデータは棄却するように規定しています。通常、計数前の試料中の菌濃度は不明なため、例えば 10 倍ごとの希釈列を作って、それぞれシャーレに蒔いてカウントしますが、その結果が、30〜300 個に範囲入らなければやり直さなければならないとなっています。肉眼に頼っているが故の限界です。

 

コロニー形状に関してはさらに困難な問題があります。最初に蒔いた時の単一の菌が同時に細胞分裂を開始したとしても、細胞分裂を繰り返す過程でその速度が全て同じになる保証はありません。そのため、培養 1 日後のコロニーの大きさがまちまちであることが多いのです。大きいコロニーは元々一個の菌であったのか、あるいは 2 個以上のコロニーが重なって 1 個になってしまったのか判断は極めて難しいのです。コロニーの形状からそれを判断するとしても、それには多分に個人差がでるでしょう。そして、仮に、そのことが後日、議論になったとしても、目視検査では通常画像データの保存は行わないため、検証することはできません。

 

以上のことから、今日、生菌検出法に対しては、@迅速化、A自動化・省力化、B作業の均質化、Cデータファイリングを含むシステム化が要請されています。そうしたことから、検査員の個人差の解消、また後日の検証のために計数データ、及びその基になった画像情報の保存等が要請されるようになっています。

 

 

 

 

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